ベルリン ドイツ技術博物館 自動車館その2

ドイツといえばメルセデス・ベンツを無視するわけにはいきません。1961年デビューのW110です。最近のメルセデスのセダンはボンネットの上にスリー・ポインテッド・スターがないんですよね。やはりグリルの中ではなく、ボンネットの上ってのが一番似合うと思うのです。(取られてしまう。というリスクがありますが)f:id:norimononado:20150703173038j:plain1962年製、OPEL KAPITAN  前述のメルセデスと同じ頃のものですね、パノラミックウィンドウなど、アメリカ車の影響が感じられます。排気量は2,600ccもあり、このクラスのオペルとしてはヒット作となったようです。

f:id:norimononado:20150704185305j:plainアウディの前身となったNSU。この車はそれだけではありません。1967~77年の間、37,389台生産されたRo80で、世界初のロータリーエンジン搭載の4ドアセダン車なのです。エンジンのみならずセミオートマチック車でもあり、先進的なイメージを持たせたかったんでしょうか。しかし、エンジンの信頼性が低く(わずか24,000km走った程度で問題が発生したようです)、またエンジンの構造をよく知るメカニックも少ないなどといったことから。販売は低迷。1970年にはエンジンの問題は大体解決されたものの、一度ついてしまった汚名はなかなかそそげず、NSUの存続自体も危ぶまれるようになってしまいました。

f:id:norimononado:20150704185322j:plain色々先進的なモノを搭載し、外観も後継メーカーのアウディに伝わるデザインであったと思います。先駆的な車になるはずだったんだなと改めて実感。

ところでこの後ろ姿、いすゞフローリアンに似ているな・・・と思いませんか?

f:id:norimononado:20150704185331j:plainこの可愛らしいバンは、GUTBROD社のATLAS 800というもの。このGUTBROD社は、トラクター、オートバイ、乗用車と幅広く手掛けてきたメーカーのようですね。このATLAS 800は1950年デビューとのことですので、戦後復興に大いに活躍したことでしょう。解説文によれば最大積載量750㎏で乗員2人が快適に、もし必要ならば3人まで乗車できた。などとありましが、積載量はともかく、この車に大柄なドイツ人2人が快適に並んで座れたのかは、ちょっと疑問符が付くところです。

f:id:norimononado:20150704185357j:plainちなみにこの個体は1985年にテーゲル空港付近に打ち捨てられてモノを、警察がオークションに出して、博物館がめでたく購入できたものだそうです。日本でも公共機関がオークションにかけるというのはあるのでしょうが、道路脇に放置されていた商用車となると、日本だったらスクラップでしょうか。工業文化に対する姿勢の違いを見た気がします。

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